前々から欲しかったビデオキャプチャーカードを買いました。Ｉ／ＯデータのＧＶ−ＭＰＥＧ２／ＰＣＩです。詳しい性能についてはとりあえずメーカーのホームページを見てもらうとして、ここではＧＶ−ＭＰＥＧ２のＴＶ出力機能を使ってＤＶＤを見る方法について記します。
　ＧＶ−ＭＰＥＧ２には添付ソフトとしてＤＶＤオーサリングソフト「ＤＶＤｉｔ！ＬＥ｣がついています。しかしＴＶ出力に使用する専用キャプチャーツール｢ＭＰＥＧＣｒｅａｔｏｒ｣はＤＶＤ形式のデータを受け付けないため、一度ＤＶＤ形式にしてしまうとこれでＴＶ出力することはできません。ああ、何たる片手落ち！
　そこで、ちょいと手を加えてやってＤＶＤ形式のデータをＴＶに出力しちゃおうというわけです。なお、ここで扱うのはＣＳＳによる暗号化のかかっていないＤＶＤとします。一応(^^;。

　まず用意するもの。

• ＧｒａｐｈＥｄｉｔ
  　公式サイトからは単体では落とせないそうです。ＤｉｒｅｃｔなんちゃらＳＤＫに入っているとか何とか。Ｄｏｏｍ９とかDVDExploringとかから手に入れるといいでしょう。Ｄｏｏｍ９にあるのはいくつかフィルターが一緒に入っててお得かも。
  
• MultiVob DirectShow Filter
  　ＧｒａｐｈＥｄｉｔで複数のＭＰＥＧ２データを扱えるようにするフィルターです。他にもちょっとした機能があるんですけど、それはひ・み・つ（笑）。
  
• ＰｏｗｅｒＤＶＤ
  　必要なのはオーディオデコードフィルター（ｃｌａｕｄ．ａｘ）だけです。ＤＶＤＥｘｐｒｅｓｓやＷｉｎＤＶＤのフィルターは使えませんでした。他のフィルターで成功したという方がおられましたらご一報ください。
  
• 午後のこ〜だ＆こ〜でっく
  　オーディオデコードフィルターにサラウンドではなくステレオデータを出させるものなら何でもいいんですけど、うちではこれを使いました。冬コミ（コミケ５９）版ではなく夏コミ（コミケ５８）版のほうが軽いようです。冬コミ版では処理が追いつかなくなって止まることがありました。
  ＰｏｗｅｒＤＶＤｖｅｒ．４のフィルターを使う場合は必要ありません。02/01/13

　それではまずMultiVob DirectShow Filterをシステムに登録しましょう。ダウンロードしてきたアーカイブを適当なディレクトリに解凍して、ＭｕｌｔｉＶｏｂ．ａｘをｒｅｇｉｓｔｅｒ．ｂａｔにドロップすると登録されると思います（多分(^^;）。一度登録するとＭｕｌｔｉＶｏｂ．ａｘは移動したり削除したりしてはいけないので、それなりのディレクトリで行うこと。通常フィルターの登録は以下のように行います。
　ＭＳ−ＤＯＳプロンプトでフィルターのあるディレクトリに移動し、

\windows\system\regsvr32 multivob.ax

を実行。Ｗｉｎｄｏｗｓを別なディレクトリにインストールした方はそのように読み替えてください。
　登録できると次のようなウインドウが開きます。


　次にMultiVob List Filer.exeを実行します。

　ＡＤＤをクリックしてファイラーを開き、再生したいファイルを登録します。ｖｔｓ＿０１＿１．ｖｏｂとか拡張子がｖｏｂのファイルです。表示されている順番に再生されます。必要に応じて順番を入れ替えてください。
　補足。ファイラーは拡張子がｖｏｂのファイルしか表示されないようになっていますが、なんでも登録できるようです。ためしにキャプチャーしたデータを登録してみたところ、ＭＰＥＧ２なら連続再生できるようです。
　リストができたら、Ｆｉｌｅ−＞Ｓａｖｅ　Ａｓで名前を付けてリストファイルをセーブします。

　いよいよメインイベント、ＧｒａｐｈＥｄｉｔを起動します。

　Ｇｒａｐｈ−＞Ｉｎｓｅｒｔ　Ｆｉｌｔｅｒでフィルター選択ウインドウを開き、ＤｉｒｅｃｔＳｈｏｗ　Ｆｉｌｔｅｒｓの中にあるＣｙｂｅｒＬｉｎｋ　Ａｕｄｉｏ　Ｄｅｃｏｄｅｒ、ＭＰＥＧ−２　Ｓｐｌｉｔｔｅｒ、ＭｕｌｔｉＶｏｂ　Ｆｉｌｔｅｒ、Ｖｉｄｅｏ　Ｃａｐｔｕｒｅ　Ｓｏｕｒｃｅｓの中にあるＧＶ−ＭＰＥＧ２／ＰＣＩをそれぞれダブルクリックしてワークエリアに登録します。ＭｕｌｔｉＶｏｂ　Ｆｉｌｔｅｒをダブルクリックするとファイラーが開きますので、先ほどセーブしたリストファイルを指定してやります。
　グラフを次のようにつなぎます。

　通常ならこれでいいはずなのですが、オーディオストリームがＡＣ−３の場合この接続だとＣｙｂｅｒＬｉｎｋ　Ａｕｄｉｏ　Ｄｅｃｏｄｅｒはサラウンドなデータを渡しているのか音が出ません。それどころか不正な処理で強制終了してしまいます。
　追記：ＰｏｗｅｒＤＶＤｖｅｒ．４のフィルターを使った場合は上記接続でちゃんと再生されます。02/01/13
　そこでいったんＭＰ３にしてから渡してやることにします。フィルター選択ウインドウを開き、Ａｕｄｉｏ　Ｃｏｍｐｒｅｓｓｏｒｓの中にあるＭＰＥＧ１Ａｕｄｉｏ　Ｌａｙｅｒ−３　（ＧＯＧＯ）と、ＤｉｒｅｃｔＳｈｏｗ　Ｆｉｌｔｅｒｓの中にあるＭＰＥＧ　Ｌａｙｅｒ−３　Ｄｅｃｏｄｅｒをワークエリアに追加し、ＣｙｂｅｒＬｉｎｋ　Ａｕｄｉｏ　ＤｅｃｏｄｅｒとＧＶ−ＭＰＥＧ２／ＰＣＩのあいだに挿入します。

　冬コミ版のこ〜でっくを使う場合は、ビットレートを下げるといいかもしれません。Ｐｅｎｔｉｕｍ!!!８５０ＭＨｚでぎりぎりですので、非力なマシンではオーディオをいったんｗａｖにしておいたほうが確実だと思います。
　ｗａｖの作り方はDVDExploringにある昔のコンテンツの中に入っていますのでそっちを参照してください。ｗａｖならＤＶＤＥｘｐｒｅｓｓのオーディオデコーダでも作成できます。
　グラフが完成したら、再生ボタンを押します。あとはＴＶでＤＶＤを楽しんでください(^^)/。

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